離婚をしようとするとき、相手が離婚に応じなければ、最終的に離婚訴訟を提起することになります。
離婚で裁判にまで至るケースは比較的少ないといえますが、裁判離婚にはどういった特徴があり、どのような流れで進めていくのでしょうか?
今回は、裁判離婚の特徴と流れ、メリットやデメリットについて、弁護士が解説いたします。
このページの目次
1.裁判離婚の特徴と流れ
裁判離婚は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起して、裁判(判決)によって離婚する方法です。
裁判の途中で和解することもありますが、その場合には「和解離婚」と呼ばれます。
裁判離婚の特徴は、判決によって離婚が認められるので、離婚することについて相手方の同意が不要となります。つまり、裁判離婚の場合には、民法が定める「離婚事由」があるか否かを裁判所が判断し、離婚事由が認められるのであれば、たとえ相手方が離婚を応じない場合であったとしても、離婚判決を下すことになります。
裁判離婚を進めるときには、まずは家庭裁判所に「離婚請求訴訟」を提起します。その後、月1回くらいのペースで審理を開き、双方の主張と立証を整理していきます。
最終的に争点が整理されたら、当事者尋問や証人尋問を行い、その結果にもとづいて裁判所が判決を下します。
2.裁判離婚のメリット
2-1.相手方の同意が要らない
裁判離婚の何よりのメリットは、離婚に関する相手方の同意が要らないことです。
相手方が離婚に同意しない限り、協議離婚や調停離婚はできませんが、裁判離婚であれば可能です。
また、財産分与や親権、養育費や慰謝料などの離婚条件で意見が合わない場合にも、裁判所が決定してくれます。
2-2.法律的に妥当な条件で解決できる
2つ目のメリットは、「法律的に妥当な条件」で離婚できることです。
たとえば、慰謝料や財産分与を決めようとしたとき、相場の金額が分からないために、本来の権利より低い、不利な条件で合意してしまう可能性があります。
裁判をすると、裁判所が金額や親権などについて、法的に妥当な条件で判決しますので、不当な不利益を受けるおそれがありません。
2-3.強制執行できる
判決で決まった内容は、強制執行ができます。相手が不払いを起こしたり、子どもを引き渡さなかったりしても、強制的に権利を実現することが可能となります。
3.裁判離婚のデメリット
3-1.手間と時間がかかる
離婚裁判の最大のデメリットは、手間と時間がかかることです。
裁判を起こすのも進行するのも大変な手間ですし、一回裁判を起こすと、平均して10か月くらいはかかってしまいます。
3-2.費用がかかる
離婚裁判をするときには、費用も発生します。裁判所に支払う印紙代も必要ですし、弁護士に依頼するとその費用もかかります。
離婚裁判にはデメリットもありますが、最終的に権利を実現するためには裁判が必要になるケースも存在します。離婚問題でトラブルに発展している場合には、まずは一度、弁護士までご相談ください。